National Labor Committee(NLC)の報告書
National Labor Committee(NLC)の報告書
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 米Microsoftは、ハードウエア製造を委託している中国工場の劣悪な労働環境を批判する調査報告を受け、米国時間2010年4月15日に詳しい調査に乗り出すと発表した。独立した監査チームを同工場に派遣したという。

 民間組織の米National Labor Committee(NLC)が4月13日に公開したレポート(PDF文書)によると、台湾KYE Systemsが中国の広東省東莞市に所有する工場では、Microsoftを含む複数の企業からマウス、スキャナー、キーボード、デジタルカメラなどの製造を請け負っており、未成年の工員が1日15時間働かされているという。

 同工場は、16~17歳の勤労学生を数百人、最も多いときで1000人雇用し、主に朝7時45分から夜10時55分まで1週間に6~7日間勤務させていた。時給は65セントで、食費を差し引くと52セントしか残らない。自由行動はいっさい禁じられ、決められた時間帯しか工場を出ることを許されていない。また、女子に対するセクシャルハラスメントもあったという。

 Microsoftはこれまで、同工場を毎年訪問し、またKYE Systemsから労働状況の報告を受けていたが、過去2年間で児童労働などの問題は見られず、超過勤務は大幅に削減され、報酬は東莞市の基準に則っていたとしている。Microsoftエンターテイメントおよびデバイス事業製造業務担当コーポレート・バイス・プレジデントのBrian Tobey氏は、「もし今回の調査で当社規定に準じていないことが判明した場合、しかるべき処置をとる」と述べた。

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