中国・北京市で開催している「Intel Developer Forum(IDF)」の初日に当たる2010年4月13日の基調講演には、2番手としてSoftware and Service Group担当のレニー・ジェームス上級副社長が登壇した。ジェームス氏はCompute Continuumの実現に当たり、3つの構成要素が必要だと指摘。アプリケーション配信のためのサービスと、開発者支援のためのプログラム、および異なる機器間で共通する操作環境である。

Software and Service Group担当のレニー・ジェームス上級副社長。

Compute ContinuumをIntelアーキテクチャーで実現。アーキテクチャーだけでなく、OSなどプラットフォームレベルでの標準化が必要だとした。
Compute ContinuumをIntelアーキテクチャーで実現。アーキテクチャーだけでなく、OSなどプラットフォームレベルでの標準化が必要だとした。
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 こうした3つの要素がそろうことにより、Compute Continuumの実現が可能になる。そのイメージを分かりやすくするため、基調講演では子どもが2人登場し、寸劇形式でさまざまな機器を通じて同じサービスを利用するデモを見せた。利用するサービスは動画配信サービスとアプリケーションの配信サービス、クーポンなどの配信サービス。

 まず動画配信サービスを利用しようとすると、アプリケーションをインストールするよう要求される。ここでインストールする操作を選択すると、自動的にアプリケーション配信サービスに接続し、適切なソフトウエアをその場でダウンロードできる。動画配信サービスは当初パソコンで視聴していたが、やがてテレビや、外出時の携帯電話などさまざまな機器から利用できる。その際、セッションの情報を維持し、どこまで見たかが分かるようになっていて、自動的に適切な場所から再生できる。

寸劇形式でCompute Continuumのコンセプトを実演。携帯電話機、パソコン、テレビ、キオスク端末などさまざまな機器で共通のサービスを連続的に利用できる。ある機器で途中まで利用したサービスを、次の機器で同じ場所から再開するデモを見せた。
寸劇形式でCompute Continuumのコンセプトを実演。携帯電話機、パソコン、テレビ、キオスク端末などさまざまな機器で共通のサービスを連続的に利用できる。ある機器で途中まで利用したサービスを、次の機器で同じ場所から再開するデモを見せた。
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 機器向けのプラットフォームとして、Intelが提供するのが「MeeGo」だ。MeeGoはフィンランドのNokiaと共同開発したもので、主として携帯情報機器での利用を想定したLinuxベースのディストリビューションである。パソコンなどと比べ、比較的性能の低いプラットフォームでの利用を想定している。

Intelがプラットフォームとして提案するMeeGo。携帯情報機器を含む実行環境の標準としてIntelがLinuxディストリビューターと協力して開発している。
Intelがプラットフォームとして提案するMeeGo。携帯情報機器を含む実行環境の標準としてIntelがLinuxディストリビューターと協力して開発している。
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 またアプリケーションの配信サービスとしては、2010年1月に発表した「AppUp」の情報をアップデートした。AppUpで配信するアプリケーションはWindows向けとMeeGo向けとなる。今回、中国のソフトウエア開発者がアプリケーション配信に取り組むことができるようにしたという。

MeeGoとWindows向けにアプリケーション販売サービス「AppUp」を開設。すでに米国向けにベータ版のサービスを開始しているが、同日中国向けのサービス開始を発表した。
MeeGoとWindows向けにアプリケーション販売サービス「AppUp」を開設。すでに米国向けにベータ版のサービスを開始しているが、同日中国向けのサービス開始を発表した。
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