図1 今回報告された偽ソフトの画面と偽警告の例(トレンドマイクロの情報から引用)
図1 今回報告された偽ソフトの画面と偽警告の例(トレンドマイクロの情報から引用)
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図2 偽ソフトが表示させるアダルトサイトの例(トレンドマイクロの情報から引用)。この図ではアダルト画像などは黒塗りされているが、実際にはそのまま表示される
図2 偽ソフトが表示させるアダルトサイトの例(トレンドマイクロの情報から引用)。この図ではアダルト画像などは黒塗りされているが、実際にはそのまま表示される
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 セキュリティ企業の米トレンドマイクロは2010年4月12日、新たな「偽ソフト」を確認したとして注意を呼びかけた。偽のセキュリティ警告を表示するだけではなく、特定のアダルトサイトを表示させてユーザーを焦らせる。

 ここでの偽ソフトとは、大した機能を持たないにもかかわらず、セキュリティ対策などの機能を備えているとかたられて配布されるソフトのこと。インストールすると、パソコンに問題がないにもかかわらず、「ウイルスが見つかった」などと偽の警告を表示。問題を解消したければ、有料版を購入する必要があるとして販売サイトにユーザーを誘導し、クレジットカード番号などを入力させようとする。

 今回警告された偽ソフトも、ユーザーがインストールすると、偽のセキュリティ警告を表示し、販売サイトに誘導しようとする(図1)。加えて、特定のプログラム(プロセス)を実行しようとすると、「ウイルスに感染しているため、実行できませんでした」といった内容の英語の警告メッセージを表示し、そのプログラムの実行を中止する。

 さらに今回の偽ソフトは、Webブラウザー上に特定のアダルトサイトを勝手に表示させる(図2)。アダルト画像などを表示するウイルスは過去にも存在し、被害者の中には、本人が表示させたと誤解されて法律上の問題に直面した人もいるという。今回の偽ソフトは、そういったウイルスの手口を採用して、通常の偽ソフト以上にユーザーを焦らせようとしていると考えられる。