情報通信審議会 情報通信技術分科会は2010年4月13日、「携帯電話等周波数有効利用方策委員会」の第40回会合を開催した。今回は700/900MHz帯移動体通信システム作業班に検討指示を出していた「周波数再割り当ての可能性」「周波数の国際協調とコストとの関係」「携帯電話事業者のトラフィック予測」などの事項について作業班から報告があった。

 報告の大まかな内容は、「既存のFPUやMCA、ITSは動かせず、再編できる周波数帯がない」「トラフィックのひっぱく度合いからすぐに割り当てを望む携帯電話事業者が多い」「国内メーカーは700/900MHzのペアを希望し、周波数の国際協調とコストの関係は薄いと回答した」などである。これを受けて主査である上智大学の服部武氏は、「現在委員会で扱っている範囲の周波数帯の枠組みで考える。そうしないと2012年の利用開始に間に合わなくなる」と総括した。外資系ベンダーなどから提案があった新たな周波数帯の追加などは行わず、元々想定されていた周波数帯の中で700/900MHzをペアで使うという従来からの方向で検討する方針を示した。

 なお4月9日の会見で原口一博大臣が電波の再編成についての検討する意向を示したことに配慮し、「状況変われば、周波数の割り当ても含めて変わるかもしれない。その際は慎重に議論する」として今後の方針変更に含みを持たせた。ただし、大臣の発言の具体的な内容がまだ分からないことから、「現状のままITSや地上デジタル放送との干渉検討を進めていく」(服部氏)とした。