アシストは2010年4月13日、三洋機工にOpenOffice.org導入支援サービスを提供していることを明らかにした。Microsoft OfficeからOpenOffice.orgへの移行により、三洋機工グループ全体で約2500万円のコスト抑制を見込んでいるという。

 三洋機工は愛知県北名古屋市に本社を置く、自動組立ラインシステムや自動溶接ラインシステムを製造する設備メーカー。アシストは自社のパソコン約700台のオフィス・ソフトをMicrosoft OfficeからオープンソースのOpenOffice.orgへ移行しており(関連記事)、そのノウハウをもとにOpenOffice.org支援サービスを約70の企業や団体に提供している。三洋機工に対してはヘルプデスク・サービスを提供している。

 三洋機工がOpenOffice.orgの導入を決定したのは2008年2月。移行する理由は、Microsoft Officeのバージョンアップに費用が発生すること、そしてバージョンアップのたびにファイルやマクロの書き換え作業が発生し、工数がかかっていたことだという。

 2008年4月にオープンソース委員会を設け、Microsoft Officeで作成したファイル資産の洗い出しを実施。2008年9月、本社のパソコンにOpenOffice.orgをインストールした。

 2009年からひな形やテンプレート・ファイルのOpenOffice.orgフォーマットへの変換、マクロの書き換えを行ってきた。これまでMicrosoft Excelで作成していた部品表や手配依頼書などの主要ファイルはすでにOpenOffice.orgへ変換したという。CADソフトに関しても、IntelliCAD(IJCAD)をカスタマイズして、OpenOffice.orgで利用できるようにした。OpenOffice.orgのCalcとQRコードを利用した出張旅費精算システムも開発中。

 今後、原則としてMicrosoft Officeを購入しないことで、三洋機工グループ全体として2年間で約2500万円コストを抑制できると見ている。OpenOffice.orgに移行するパソコンは約350台。利用しているOfficeのバージョンが古いため、使い続けるとすれば新規購入することになる。そのため、350台ぶんの2年間でのライセンスとソフトウェアアシュアランス(サポート)費用をあわせると2500万円以上かかるという。テンプレートやマクロの移行は社内で行っており、またMicrosoft Officeをバージョンアップする際にも書き換え作業が発生していたことから、2500万円は移植費用を別にしたコスト削減額となっている。

■変更履歴
第5段落で「オープンソースのIntelliCAD(IJCAD)」としていましたが、「IntelliCAD(IJCAD)」に訂正いたします。本文は修正済みです。 [2010/04/15 14:30]