米国の非営利調査機関Pew Research Centerは米国時間2010年4月12日、米国ジャーナリズムの展望について調査した結果を発表した。米国の新聞社や放送局などのニュース編集者の過半数が、インターネットはジャーナリズムの根本的価値を変えつつあると感じており、放送局の幹部(62%)のほうが新聞社の幹部(53%)よりこの傾向が強い。また、彼らが最も懸念しているのは、正確さや立証の基準が薄れつつあることだった。

 Webサイトにおけるニュース記事閲覧の有料化(pay wall)について、実施に向けて取り組んでいるニュース編集室は10%だけだった。32%は導入を検討中だが、35%は全く検討していなかった。また、pay wallが3年以内に大きな収入源になると考えている報道幹部はわずか15%だった。

 新たに大きな収入源がなくても自社があと10年続く自信があるという回答者は半数に満たなかった。3分の1は、5年以内に自社が危機に陥ると考えている。多くの回答者は、技術の影響を受けたことよりも、業界が機会を逸したことを問題として指摘している。

 調査では、米新聞編集者協会(ASNE)とラジオおよびテレビ放送デジタルニュース協会(RTDNA)に加盟している組織や会社のニュース編集者353人を対象にアンケートを実施した。

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