かつてスマートフォン市場を席巻していた米Palmが身売りを検討していると欧米のメディアが伝えている。米国時間2010年4月12日付の米Wall Street Jounalは事情に詳しい関係者の話として、Palmが銀行家を雇い、自社の売却も含めた選択肢について検討していると報じている。

 英Financial Timesは、Android端末メーカーの台湾HTCがPalm買収に向けた協議を開始したと報じた。また米BusinessWeekは中国Lenovo Group(聯想集団)も身売り先の候補だと伝えている。

 Wall Street Jounalによると、Palmを巡ってはこれまで、HTCのほか、米DellやフィンランドNokiaが買収するとの憶測が流れた。Palm株はそのたびに乱高下したが、結果的に2009年の1年間で同社株は35%下落した。

 Palmは過去数年、業績の回復を狙い、新製品の開発に注力するなど模索を続けてきた。同社は2009年にPalm webOS搭載のスマートフォン「Palm Pre」と「Palm Pixi」を市場投入した。しかし、米Appleの「iPhone」やカナダRIM(Research In Motion)の「BlackBerry」といった人気モデルに押され販売は低迷している(関連記事:米国スマートフォン利用、Google Androidがシェア拡大)。

 同社は、2009年12月~2010年2月期におけるスマートフォンの実売台数が前期比で29%減少し、前年同期比では15%減少したと報告していた。2月の業績見通しを下方修正した際には、消費者の製品購入が停滞しており、通信事業者からの受注が当初予想より少ないと説明していた(関連記事:Palmの12~2月期決算、増収なるもスマートフォン販売は不調

[Wall Street Jounalの記事]
[Financial Timesの記事]
[BusinessWeekの記事]