図 デジアナ変換の概要
図 デジアナ変換の概要
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 ジュピターテレコム(J:COM)は2010年4月12日、総務省から要請を受けた「デジアナ変換」による地上デジタル放送の提供を2011年7月24日から2015年3月末日までの間、実施することを同日に決定したと発表した。

 デジアナ変換では、地上デジタル放送をケーブルテレビ(CATV)事業者がアナログ方式に変換して各家庭に届ける(図)。総務省は、地上放送を視聴できない世帯の発生を防ぐ観点から、CATV事業者に暫定的な導入を要請している。

 J:COMはデジアナ変換の導入について、「アナログ受信機を停波後も継続して利用したいといった国民の要望に対応するとともに、2台目・3台目を含むアナログ受信機の買い替えなどに要する視聴者負担の標準化の効果を期待できる」「受信障害対策共聴施設のデジタル化対策の遅れをカバーし、円滑な受信環境の整備に資する」としている。さらに、「アナログテレビの排出抑制効果とリサイクルの平準化など、環境負荷の軽減に重要な役割を果たす」として、環境にも良い影響を与えると判断した。

 J:COMには、エリア内からデジアナ変換を求める声が寄せられている。このためJ:COM加入者や、J:COMのCATV回線に接続済みの集合住宅や共聴施設を経由して放送番組を視聴している世帯を対象に、期間限定でデジアナ変換に対応することで、デジタル移行をサポートすることを決めた。