米国のメディア写真家協会American Society of Media Photographers(ASMP)をはじめとする画像業界団体は現地時間2010年4月7日、米Googleを著作権侵害でニューヨーク州南部の連邦地方裁判所に提訴したと発表した。

 原告側は、Googleが著作権保持者の許可を得ずに、著作権付き画像が掲載された多数の書籍や出版物をスキャンし、書籍全文検索サービス「Google Book Search(Google Books)」などで公開していることは著作権侵害にあたると主張している。

 Google Book Searchを巡っては、Googleは作家団体および出版業界と和解に合意し、裁判所の承認を待っている状態だ。ASMPなどの団体は、この訴訟に加わることを望んだが、裁判所に却下された。これを受け、写真家、イラストレーター、ビジュアル・アーティストの権利保護ための集団訴訟を起こすことを決めたという。「Google Book Searchと作家および出版業界の係争は主に文章の著作権を考慮していた。今回の集団訴訟は、Google Book Searchにとどまらず、組織的に浸透している著作権侵害行為を対象にする」(ASMP)

 ASMPのほか、アーティスト組合のGraphic Artists Guild、ストック画像の業界団体Picture Archive Council of America、北米自然写真協会、米国写真家協会などの組織と、個人の写真家やイラストレーターなどが原告に名を連ねている。

 Googleと米作家団体のAuthors Guildおよび米国出版者協会(AAP)の和解では、当初の条件について米国内外から批判の声が上がったため、2009年11月13日に和解案の修正が行われた。しかし米司法省は2010年2月4日、「修正案には一定の改善がみられるものの、いまだ原案と同じ問題を抱えている」との懸念を示す意見書を連邦地方裁判所に提出している(関連記事:原案と同じ問題が内在---Google Book Searchの和解修正案に司法省が意見書)。

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