ソフトバンクモバイルは2010年4月2日、携帯電話におけるSIMロックのあり方に関する考え方を説明する記者会見を開催した。会見は取締役副社長の松本徹三氏が出席し、「SIMロックの解除は、メーカーの国際競争力向上にはまったく関係がない。ユーザーにもデメリットのほうがはるかに大きい」として反対の立場を表明した。質疑応答の主な内容は以下の通りである。

Q.ソフトバンクモバイルはSIMロックがかかっていないSIMロックフリー端末を拒んでいるのか。料金プランもSIMロックフリー端末向けのものがないが。
A.定額制は無理だという話であって、拒んではいない。というよりは適合試験に通った端末にSIMカードを発行することは事業者は拒めない。

Q.購入から24カ月経過して割賦支払いが終了した端末はSIMロックを解除できないのか。
A.SIMロックを解除できない理由の一つに「長期の利用を前提に端末の価格を設定している」というものがあるが、割賦支払いが終了した端末の場合だとこの問題は解決する。ただしWebサイトの閲覧やコンテンツ、メールといったサービスを利用できない、事業者がコントロールできない端末の過大なトラフィックが一般ユーザーの帯域を圧迫する、ユーザー・サポートが一元化できないといった他の問題は解決しない。

Q.iPhoneのようなスマートフォンならば事業者独自サービスも少ない。SIMロック解除はできるのではないか。
A.スマートフォンの方がはるかに障壁が低いのは確かだ。ただし我々もiPhoneの導入に当たって交換機を変更するなどサポートが必要になる。SIMロックフリー端末をメーカーが開発するにも、各社のネットワークと接続できるようにあらかじめ整合性を取ってテストする必要がある。メーカーは開発に時間がかかるし、コストもかかる。

Q.ユーザー・サポートを一元化できないといった理由があったが、一元化すればいいのではないか。
A.ユーザー・サポートは当然継続するが、例えばネットワークを別の事業者に変えたなら、そちらに問い合わせてもらうしかない。自社でコントロールしていないことは答えようがない。

Q.総務省がSIMロックの解除を義務化するとして、その根拠は何になるのか。
A.まったく分からない。仮に検討したとしてもSIMロック解除はデメリットが多いので止めるという議論になるのでは。

Q.どの事業者でも使えるオープン化端末を持ち、かつSIMロック解除を望むユーザーに対して、契約から一定期間後にSIMロックを解除しろとなったらどうするのか。
A.携帯電話事業者がSIMロックフリー端末を1機種でも作ることを義務付けた上で解除という話なのか、SIMロックフリー端末が市場に出てきた場合に解除しなさいという話なのかで異なる。後者の場合は何も問題がない。前者ならば売れない端末を開発して損失が出た場合は補償してくれるのか。そうでないなら在庫の山になるので勘弁してほしい。