米国のベンチャー・キャピタル大手Kleiner Perkins Caufield & Byers(KPCB)は米国時間2010年3月31日、米Appleの「iPhone OS」向けアプリケーションの開発企業を対象とした投資ファンド「iFund」の規模をこれまでの2倍の2億ドルにすると発表した。

 KPCBはiFundを通じてこれまでiPhoneやiPod touch向けのアプリケーションを開発する14の企業に出資している(関連記事:iPhoneアプリ開発会社向け投資ファンド「iFund」、5社に合計3000万ドルを出資)。KPCBによると、各社は4月3日に米国で発売されるタブレット端末「iPad」向けに20本のアプリケーションを開発中で、そのうち11本はiPadの発売日にリリースされるという。

 KPCBは、iPhoneがモバイル・コンテンツの消費活動に転換をもたらしたと考えており、今後はiPadが次の技術革新の波をけん引していくと期待している。iPadが興味深い分野として、エンターテインメント、コミュニケーション、ソーシャル・ネットワーキング、電子商取引、ヘルスケア、教育を挙げている。

 KPCB共同経営者のJohn Doerr氏は、「iPadは革新的なプラットフォーム。起業家にとって重要だ。我々はiFundでより多くのベンチャーを支援していく。iFundは彼らの成功を加速させるだろう」と述べている。

 これまで同ファンドから出資を受けた企業は、ほかの投資家からも総額3億3000万ドルの出資を受けている。また2010年におけるモバイル関連の売り上げは総額1億ドル、合計で1億回のダウンロード件数を達成したという。そのうち18のタイトルはApp Storeで上位10に入った実績があるとKPCBは説明している。

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