TBSテレビが運営する有料動画配信サービス「TBSオンデマンド」は、2009年度に単年度黒字を達成する見込みになったと発表した。

 通期黒字化の主な要因と3点を挙げる。(1)2005年11月にスタートした有料配信事業を、2008年9月に運営体制を強化した上で、新ブランド「TBS オンデマンド」にリニューアルした、(2)2009年4月からTBS局制作ライブラリードラマの大量配信を開始したことや、「東方神起最新ライブ」などの強力なオリジナルコンテンツを自社制作し独占配信した、(3)「TBS ペイテレビ事業部」でCS放送「TBSチャンネル」「TBSニュースバード」とVOD「TBSオンデマンド」を一体運営することで、権利処理などの作業を共通化し効率化に成功したことなどである。

 売上げが前年同月比約5倍の高水準で順調に推移したといい、リニューアルから1年半余りで黒字転換に成功したことになる。

<見逃し配信は2番組でスタート>
 TBSでは、「TBS オンデマンド」事業をさらに拡充させるため、まず地上波放送のゴールデン・プライムタイムで放送中の番組の「見逃し配信」をスタートさせる。今回の「見逃し配信」の一番の目的として、番組を見逃した視聴者に対し、違法サイトからの配信ではなく、正規ルートのネット回線経由による視聴手段を提供することを挙げる。加えて、番組への関心を持続させ、次週の地上波での視聴につなげることも大きな目標としている。

 まずは、水曜21時「アイリス」(4月21日放送スタート)と金曜ドラマ「ヤンキー君とメガネちゃん」(4 月23日放送スタート)の2作品を対象にする。毎週の地上波放送終了からおおむね48時間後以降に、「TBSオンデマンド」の提携先各社で順次、1話315円で有料配信する。今回の2作品を皮切りに、7月以降も継続して行っていく予定。

<4月からQTVビデオやTSUTAYA TVを追加>
 また「TBS オンデマンド」の提携配信先に新たに3 社を加える。すでに、プレゼントキャスト が運営する民放5社共通のテレビ番組配信サイト「テレビドガッチ」の運用が3月23日に始まっている。また、フロントメディアが運営するケータイ動画配信サイト「QTV ビデオ」とTSUTAYA TV が運営するデジタルテレビ向け動画配信サービス「TSUTAYA TV」が4月1日に開始する。この結果、パソコン系8社、テレビ系10社、ケータイ系3社の計21社の提携配信先を有することになる。国内最大規模という。

 なお、「テレビドガッチ」や「QTV ビデオ」への供給を契機に、ケータイ向け動画配信事業を本格化させると宣言した。すでに数百本のケータイ配信可能コンテンツを有しているが、アニメや映画など今後も「TBSオンデマンド」向けに配信ジャンルおよびコンテンツ数を急速に増やしていく計画。

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