米Novellは米国時間2010年3月20日、資産管理や投資サービスを手がける米Elliott Associatesによる買収提案を拒否することを同社取締役会が決定したと発表した。Elliott Associatesの提案を慎重に検討した結果、1株当たり5.75ドルという提示額が不十分であり、同社の成長見込みを過小評価していると結論づけた。

 Novellはまた、株主価値を高めるための手段を模索中であることも明らかにした。株式買い戻しや現金配当、戦略的提携、合弁会社設立、自社売却といったさまざまな可能性を視野に入れているという。具体的にどのような交渉が行われているかについては、取締役会の承認を得るまで公表しないとしている。

 米メディアの報道(Wall Street Journal)によると、Elliott Associatesが買収案を申し出たのは3月2日で、買収総額は約20億ドルにのぼる。Elliott Associatesは1月4日よりNovellの株式を購入し始め、現在約8.5%の株式を保有している。

 Novellは厳しい財政状態が続いており、昨年12月に発表した2009会計年度(2008年11月~2009年10月)の決算は、売上高が8億6200万ドルで前年度比10%減少。赤字が大幅に拡大し、純損失2億1300万ドルを計上した(関連記事:Novell,8~10月期決算は12%減収,2億5600万ドルの赤字)。

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