日本通信は2010年3月23日、米国の携帯電話事業者であるSprintとレイヤー2で接続し、同社のMVNO(仮想移動体通信事業者)として米国で通信サービスを提供することを発表した。これにより日本通信は日米でMVNOとしてサービスを提供できる。今後は海外での高額なローミング料金が発生せずに、国内での料金と同料金で利用できるデータ通信サービスを提供するという。開始時期は、2010年7月~9月(2010年第2四半期)を予定している。日米だけではなく、「2010年内は欧州、2011年は中国の携帯電話事業者と同様の契約を結び、日米欧中で同一料金でサービスを利用できるようにする」(日本通信 代表取締役社長の三田聖二氏)という。

 料金体系は日米ともに使う時間分だけ購入するプリペイド方式を考えている。また日本と海外の両方で使えるSIMカードの開発を進めるという。また、日本の提携先であるNTTドコモは通信方式がW-CDMAであり、SprintはCDMA(EV-DOを含む)であり異なっていることから、「両方で使える携帯電話向けチップの開発・普及も目指す」(三田氏)としている。

 個人向けのパソコンを使ったデータ通信サービスだけでなく、法人向けのサービス提供も考えている。例えばパソコンにSIMカードを内蔵して、日米どちらでもすぐに通信サービスができるようにするアイデアや、日本のピアノメーカーが自動演奏ピアノにSIMカード内蔵して、演奏用の音楽データをダウンロードするサービスを世界に展開するというアイデアがあるという。三田氏は「国際展開している日本のゲーム機器メーカーが一番合うのではないか」とも語った。

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