写真1●スイッチの新製品「Catalyst 3750-X」
写真1●スイッチの新製品「Catalyst 3750-X」
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写真2●シスコシステムズの平井康文 副社長
写真2●シスコシステムズの平井康文 副社長
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 シスコは2010年3月18日,電源ユニットの共有機能を追加したCatalyst 3750-Xなどスイッチの新製品を発表した。発表会では同時に,ネットワーク関連の付加機能をまとめた「ボーダレスネットワークサービス」について,セキュリティ管理や電力マネジメントを効率化するための新機能を紹介した。

 Catalyst 3750-Xは10Gビット・イーサネット対応のレイヤー3スイッチ(写真1)。複数台をスタックして利用する際に,電源ユニットを共有できる「StackPower」機能を搭載した。電源ユニットは1100W,715Wなど4種類がある。レイヤー2接続にも対応。レイヤー2スイッチとして導入して,後からレイヤー3用のソフトウエアを追加できる。発売は2010年5月。参考価格は5200米ドル。このほか,同価格帯の他社製品より消費電力を50%下げたとするCisco Catalyst 2960-Sは2010年4月に発売する。参考価格は1995米ドル。

 ボーダレスネットワークサービスは「場所,デバイス,アプリケーションとすべての境界を取り払い,シームレスな組織を作るためのサービス」(平井康文 副社長,写真2)であるという。平井氏は「業務の課題解決だけでなく,企業の経営に革新をもたらす技術」と述べ、セキュリティ管理の「TrustSec」,電力マネジメントの「EnergyWise」,動画配信の「medianet」の3機能を紹介した。

 TrustSecは,サーバーへのアクセス権管理作業を簡略する技術。従来,複数のユーザーが社内のさまざまなサーバーにアクセスする権限を設定するには「それぞれのスイッチで何百,何千行ものアクセスリストを作成,管理する必要があった」(大木聡プロダクトマネージメントシニアマネージャ)。TrustSec用の管理システムACS(Access Control System)5.1と対応スイッチを導入することで,ユーザーをグループに分類しアクセスできるサーバーのグループを選ぶ、といった作業が簡単になるという。ACS5.1は2010年1月から販売開始している。

 EnergyWiseは,同社のスイッチ経由でパソコンやPoE装置の電力管理をする技術。パソコンの管理をする場合は、専用のクライアント・ソフトをパソコンにインストールする。2010年6月には,ネットワークに接続された機器の総電力消費量や機器の種類ごとの消費量比率などをグラフで表示する管理ツール「EnergyWise Orchestrator」を発売する。

 Medianetは,ネットワーク上で効率的に動画データの配信をするための技術。同一ネットワーク上で流れる動画の配信状況を把握し,必要に応じてテレビ会議など優先度の高いトラフィック用に帯域を確保する。