経営コンサルティングを提供するレイヤーズ・コンサルティングは2010年3月23日、連結会計ソフト「JIN~仁(ジン・ツー)」の販売を開始する。金融機関向けのシステム構築を手がける情報企画が開発した連結会計ソフトを基にレイヤーズが機能を強化した。レイヤーズの杉野尚志CEO(最高経営責任者)/公認会計士は「リアルタイムに連結グループの経営状況が分かり、IFRS(国際会計基準)に対応できることが特徴」と説明する。

 JIN~仁では連結決算処理を実施する際に、対象となる子会社の取引データを子会社の会計システムから収集する。情報企画の松岡仁史社長/公認会計士は「取引データを取得することで、グループ全体の経営状況を親会社がすぐに分かるメリットがある」と話す。「一般の連結会計ソフトは期末を待って子会社の情報を集める。すると債権債務の情報やグループ内部の相殺処理に時間がかかっていた」(松岡社長)という。

 レイヤーズの杉野CEOは「決算処理後の残高データでなく、取引データを先に収集することで経営状況をすばやく把握できる。重要な子会社だけでも対象にすれば経営状況を把握できるほか、決算の精度向上につながる」と強調する。データ収集の対象となる会計システムについては「代表的なパッケージソフトからデータを収集するためのツールを用意している」(松岡社長)。

 JIN~仁ではIFRSへのアダプション(強制適用)への対応についても「先取りして取り込める機能は先取りしていく。必要があれば追加開発もしていく」(杉野CEO)という。資産除去債務といったコンバージェンス(収れん)項目については、「コンバージェンステンプレート」をレイヤーズが作成し、オプションで提供する。

 JIN~仁の価格は連結対象の子会社が50社程度がある場合、600万円から。連結対象企業1社当たり30万円を想定している。レイヤーズが連結会計処理のコンサルティングサービスを提供しながら、製品の導入を担当する。杉野CEOは「2000年の連結財務諸表の導入時に連結会計ソフトを導入して、買い替えを検討している大手企業を中心に販売していく」と話す。