写真1●米Microsoftの開発プラットフォーム担当副社長を務めるScott Guthrie氏
写真1●米Microsoftの開発プラットフォーム担当副社長を務めるScott Guthrie氏
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写真2●Expression Blend 4を利用したユーザー・インタフェース作成の画面
写真2●Expression Blend 4を利用したユーザー・インタフェース作成の画面
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 米Microsoftは、2010年3月15日に米国ラスベガスで開幕した技術カンファレンス「MIX10」において、RIA技術の最新版「Silverlight 4」のRC(Release Candidate:製品候補)版を同社サイトで公開したことを明らかにした。Silverlight 4は2009年11月の「PDC(Professional Developers Conference)09」で発表され、ベータ版が公開されたばかり。2010年4月には正式版が登場するとしている。さらに今回のMIX10に合わせて、開発ツールのSilverlight Tools For Visual Studio 2010はRC版を、ユーザー・インタフェース開発ツールのExpression Blend 4はベータ版をそれぞれ公開した。

 MIX10のキーノートに登壇した米Microsoftの開発プラットフォーム担当副社長であるScott Guthrie氏は、まずSilverlightの普及率が60%に達したと説明(写真1)。PDC09の時点では45%程度だったが、その後にバンクーバーオリンピックの映像配信もあったことで、Silverlightの普及が進んでいることをアピールした。

 Guthrie氏は続いて、開発中の最新版であるSilverlight 4で追加される新しい機能を説明した。具体的には、Webカメラやマイクといった周辺機器の利用、マルチキャスト配信、オフラインDRM(著作権管理)といったものが、アプリケーションで利用可能になるとした。

 キーノートでは、Silverlightを使ったユーザー・インタフェースの例として、eBay副社長のRaji Arasu氏とDave Wolf氏が壇上に上がり、同社が開発しているサービスを紹介した。例えば、Silverlightアプリケーションからカメラを動かして、本などのバーコードを読み取り、その情報から該当商品を検索するといったことができるようにする。また、デスクトップ上においたイメージ・ファイルのアイコンを、Silverlightアプリケーション上にドラッグ&ドロップすることで取り込んで情報として追加できるなど、これまでのWebアプリケーションでは難しかったことが可能となり、操作性が向上するとした。

 Guthrie氏はさらに、Silverlight 4の開発環境として、Visual Studio 2010に加えて、Expression Blend 4が利用できるようになるとした。Expression Blendは、Microsoftが開発しているWebユーザー・インタフェース開発ツールである。キーノートで登壇したeBayは、サービス画面について手書きしたものをExpression Blendに読み込んで必要な条件を指定していくことでユーザー・インタフェースのコントロールが作れる様子を、具体的な画面を見せながら説明した(写真2)。