写真1●Windows Phone担当副社長のJoe Belfiore氏
写真1●Windows Phone担当副社長のJoe Belfiore氏
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●画面の下に「スタート」「検索」「戻る」のボタンが付く
写真2●画面の下に「スタート」「検索」「戻る」のボタンが付く
[画像のクリックで拡大表示]
写真3●開発プラットフォーム担当の副社長Scott Guthrie氏
写真3●開発プラットフォーム担当の副社長Scott Guthrie氏
[画像のクリックで拡大表示]
写真4●Xbox 360向けに開発したゲームがWindows Phone上で利用できる
写真4●Xbox 360向けに開発したゲームがWindows Phone上で利用できる
[画像のクリックで拡大表示]
写真5●コード・ベースでWindows Phoneアプリケーションを開発するVisual Studio 2010
写真5●コード・ベースでWindows Phoneアプリケーションを開発するVisual Studio 2010
[画像のクリックで拡大表示]
写真6●画面の操作性を重視した開発に利用するExpression Blend 4
写真6●画面の操作性を重視した開発に利用するExpression Blend 4
[画像のクリックで拡大表示]

 米国ラスベガスで2010年3月15日、米Microsoft主催の技術カンファレンス「MIX10」が開幕した。初日のキーノートでは、同社が開発を進めている次期携帯電話OS「Windows Phone 7」の最新状況について、デモを交えながら披露。同時にWindows Phone 7向けの開発ツールを無償公開したことを明らかにした。

 キーノートでは、Windows Phone担当の副社長であるJoe Belfiore氏がWindows Phone 7について詳細を説明した(写真1)。それによると、Windows Phone 7の画面は「ライブタイル」という独特なもので、画面の下に「スタート」「検索」「戻る」の3つの機械的なボタンが付く形になる(写真2)。

 Windows Phone 7に同社の携帯音楽プレーヤーであるZuneの機能を取り込むことで、音楽やビデオ、ポッドキャスト、ラジオといったものを取り扱えるようにする。これらのコンテンツは「marketplace」という同社のオンライン販売サイト経由で入手できる。

Windows Phone 7向け開発環境を無償公開

 続いて、開発プラットフォーム担当の副社長Scott Guthrie氏が、Windows Phone 7向けの開発環境について説明した(写真3)。Windows Phone 7向けに「End-to-End Application Development Platform」と呼ぶ環境を提供する。これは、Silverlightやゲームの開発プラットフォームであるXNAとの互換性をもたせるというもの。これにより、Silverlightアプリケーションであれば、通常のデスクトップ向けに開発した場合と同じプログラミング・モデル、同じコード、同じツールのままWindows Phone 7でも利用できるという。また、XNAと互換性を持たせることでXbox 360向けに開発したゲームがWindows Phone上で利用できるとし、キーノートでは実際に動かして見せた(写真4)。

 Windows Phone 7向けのアプリケーション開発には、「Visual Studio 2010」に加え「Expression Blend 4」も利用できる。これらの開発環境では、Windows Phone 7をエミュレートした仮想環境を用意する。この仮想環境では、携帯電話機を横にした場合などのシミュレーションも可能で、実際のデバイスがなくとも開発中のアプリケーションについて動作を試せるようになっている。開発者は、コード・ベースで開発する場合はVisual Studio 2010を使い(写真5)、画面の操作性を重視して開発する場合はExpression Blend 4(写真6)と使い分けていくことになるだろう。

 これらの開発環境である「Visual Studio 2010 for Windows Phone」「Expression Blend 4 for Windows Phone」「XNA Game Studio 4.0 for Windows Phone」の3つは、同日からマイクロソフトのサイトで公開され、ダウンロード可能となっている。Microsoftがこれらのツールを「無償で提供する」と発表すると、会場からは歓迎する拍手が巻き起こった。