米Netflixは米国時間2010年3月12日、レコメンデーション・エンジンの精度強化を競う「Netflix Prize」の続編開催を取りやめると発表した。米連邦取引委員会(FTC)などがプライバシに関する懸念を示したためとしている。

 Netflix Prizeは、同社が2006年に開始したコンテストで、同社の独自アルゴリズムとソフトウエアを用いた映画レコメンデーション・システムの精度を10%以上向上した人に100万ドルの賞金を与えるというもの(関連記事:Netflixが映画のレコメンデーション・システム向上に賞金100万ドル )。186カ国の5169チームが挑んだ同コンテストは、2009年7月26日に優勝者が決定し、終了した。

 同社は2009年8月6日に、同コンテストの続編を実施する計画を発表した。しかしこの数カ月間、Netflix Prize続編がNetflixメンバーのプライバシに与える影響についてFTCの調査を受けたほか、法律家による訴訟も起こされた。同社はメンバーのプライバシ保護に向けた取り組みについて、FTCおよび法律家と協議を重ねた。その結果、FTCと折り合いが付き、法律家とも和解したが、いずれも今後調査プログラムにNetflixのデータを使用する際の一部パラメータが関係しているため、同社はNetflix Prize続編を実施しないことに決定した。

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