「私は今のGoogleの気持が分かる。 私もSteve Jobs氏に脅された」。米Sun MicrosystemsでCEOを務めたJonathan Schwartz氏は現地時間2010年3月9日、自身のブログで、こうつづった。

 ブログの内容は、先ごろ米Appleが台湾HTCを訴えたことを批判したもの(関連記事:Apple、iPhone特許侵害でAndroid端末メーカーHTCを提訴)。同氏は、2003年にSunがオープンソース3Dデスクトップ環境「Project Looking Glass」を発表したころを回想し次のように書いている。

「当時AppleのSteve Jobs CEO(最高経営責任者)から電話があり、Sunのグラフィカル・インタフェースがAppleの知的財産を侵害していると言われた。もし商品化するならば君らを訴えると脅された」

 また米MicrosoftのBill Gates会長との会談についても振り返っている。

 「Billは単刀直入にこう言った。『Microsoftはオフィス・プロダクティビティ製品の市場を所有しているが、SunのOpenOfficeは至る所で我々の特許を侵害している。ライセンス契約をしてくれるとうれしい』。これは『ロイヤルティさえ支払えば、我々は静かに帰るよ』という意味で、上納金のデジタル版だ」

 Sunはいずれのケースも、自社の持つ特許でこれらに対抗したという。Appleの場合は、プレゼンテーション・ソフト「Keynote」がSunが特許を持つ「Concurrence」に似ていること、Mac OSに使われている技術にSunの特許が含まれている可能性があることを示唆して対抗した。Microsoftに対しては、Webアプリケーション・プラットフォームの「.NET」がSunの持つJavaの特許を侵害していると反論したという。

 Schwartz氏は、「私は特許の価値というものを知っている。Sunは多くの特許を持っていたため、反撃を恐れることなく我々に追随してくる企業はなかった」と述べ、特許が企業防御に有効だと語っている。

 その一方で、「特許を攻撃に使うと、自暴自棄に陥る」とし、Appleなどの行動を批判している。

 「ライバルを訴えると、通常そのライバル企業への関心を高めることになる。 開発者はGoogleのAndroidに興味を失うどころか、むしろAppleの行動によって、より興味を持つようになっている。NokiaがAppleを訴えたが、iPhoneの勢いは減速するどころか加速している。誰が最初にAppleのiPadを訴えるのだろうか?」

[Jonathan Schwartz氏のブログ記事]