米Googleは米国時間2010年3月8日、携帯電話機向けソフトウエア基盤「Android」用アプリケーションの一部をC/C++言語で記述できるようにする開発キットの新版「Android Native Development Kit(NDK)r3」を公開したと発表した。Windows/Mac OS X/Linux用バイナリを開発者向けWebサイトで無償ダウンロード提供している。

 新版はAndroid 1.5以上に対応しており、Android 2.0(APIレベル5)以上の場合は3次元グラフィックスAPI「OpenGL ES 2.0」の利用が可能。ツールをC/C++コンパイラGCC 4.4.0対応にアップグレードしたため、従来より小さく効率的なコードが生成できるという。

 Android NDKは、Androidアプリケーションから呼び出し可能なC/C++ライブラリを開発できる。仮想マシン「Dalvik」向けJavaコードとデバイスのプロセサで直接動くネイティブ・コードを組み合わせられるため、アプリケーションの高速化が可能。既存のC/C++ライブラリを流用すると、開発工数の削減にもつながる。使用するにはソフトウエア開発キット「Android SDK」が必要(関連記事:AndroidアプリでC/C++のライブラリを流用可能に,Googleが開発キット投入)。

 NDKで作るC/C++ライブラリは英ARMの命令セット「ARMv5TE」にしか対応していないため、アプリケーションの移植性が落ちる。アプリケーションの構造も複雑になることから、Googleはメリットとデメリットのバランスに注意してNDKを使うよう呼びかけている。

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