フリービットは2010年3月9日、ネットワーク家電をWebブラウザからインターネット経由で遠隔利用するコンセプト「Air Display」を発表した。小型の液晶パネルと数個のボタンしか持たない機器であっても、Webブラウザとキーボードによる快適な操作性を付与できるのが売りだ。
Air Displayは、「家電のユーザー・インタフェースをブラウザに表示することで、“空気”のような仮想ディスプレイを実現する」(フリービットの石田宏樹社長)技術。Air Displayを前提にネットワーク家電を開発すれば、機器本体に表示デバイスが不要になり家電製品の小型化や低コスト化が可能になるとする。
構成要素は、ネットワーク家電が持つ機能や格納したファイルなどをWebブラウザから利用するためのユーザー・インタフェース(UI)と、インターネット上にセキュアな通信路を確立するVPN技術の大きく二つ。
UIは、大画面液晶やキーボードなどを持つパソコン向けのWebベースのUIを、ネットワーク家電のUIとは別に用意する(写真1)。ユーザーは、フリービットが用意するインターネット上のWebページにユーザー・アカウントとパスワードを入力して認証を受け、Air Display機器にアクセスする。VPN技術は、フリービットの中継サーバーを介してiPhoneやAndroid端末をインターネット・サーバー化する「ServersMan」の技術を流用した。
最初のAir Display搭載製品は、フリービットの子会社であるエグゼモードが2010年3月下旬に発売を予定するAndroid搭載デジタル・フォトフレームになる(写真2)。写真閲覧のための基本機能のほか、WebブラウザなどAndroidの標準的なアプリケーションを搭載する。通信機能は無線LANを内蔵。第3世代携帯電話(3G)の主なUSB端末にも対応する。Androidのバージョンは1.5だが、発売後にバージョン1.6へのアップグレードを予定している。
[発表資料]