図1 トップ画面のイメージ
図1 トップ画面のイメージ
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図2 四つの操作例
図2 四つの操作例
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 マルチメディア放送(mmbi)は2010年3月8日、ISDB-Tmm技術を採用したマルチメディア放送のサービスイメージとして新たに開発したユーザーインタフェースのデモを公開するとともに、同日の発表会で石川昌行社長が想定しているサービスの紹介を行った。

 マルチメディア放送は以前から、ファイルキャスト(携帯電話にコンテンツファイルを自動蓄積していつでも視聴できるという形態の放送)と、ストリーミングサービス(ライブやニュースなどリアルタイム視聴の放送)について、必要に応じて帯域を柔軟に振り分けて、両方を組み合わせたサービスを提供するとしてきた。

 今日の発表では、「ユーザーが意識しなくても、ユーザーに合ったコンテンツが自動的に蓄積され、そして受信機を操作するとユーザーに合ったコンテンツがレコメンドされる」というサービスイメージを述べた。同じ人間でも、平日と週末ではライフスタイルが異なる。こうしたことも考慮に入れて、コンテンツを提供し、かつレコメンドしていく。

 石川社長へのカコミ取材や説明会における解説を総合すると、「月額数百円という料金で、毎週300本程度(コンテンツの種類にもよるが、10分程度のものが主流)のコンテンツが配信される。この中から、ユーザーに合うコンテンツが提示される」といったサービスを想定して、準備を進めている。

 現在、ワンセグの端末普及率は高いが、利用される頻度はそれほど高くない。これに対して、マルチメディア放送は、ファイルキャストとリコメンドの機能などを利用して「毎日見る/使うサービス」を目指している。提供するファイルには、動画に加えて電子ブックや地図情報、ゲームなど様々なものが想定されている。「ワンセグとは違うサービス」を目指す。

 こうしたサービスの提供に向けて、ツールの一つとして開発したユーザーインタフェースを公開した。端末自体を傾けたり振ったりすることで、メニューやチャンネルが変わる。これは、次世代モバイルサービスに求められる「ユーザーの直観的な動きに対応したサービスを提供する」のコンセプトの下に開発した。デモでは、こうしたユーザーインタフェースを元に、想定されるトップページ(図1)と、使用例(図2)を示した。この中で例えば、利用したコンテンツの評価ができるようになっており、ユーザー同士で評価を共有できるほか、次のおすすめに反映させる。

 さらに、将来的構想の一例としての「コンテンツを別画面で楽しむ」という「外部出力連携」を示した。携帯端末内のコンテンツを無線LAN経由でパソコンに流しHTTPストリーミング再生し、テレビにHDMI経由で出力するというものである。携帯電話で途中までコンテンツを再生し、家に帰ってから続きを見るといったことを想定している(マルチメディア放送のこの日の発表に関連した内容は、日経ニューメディアの2010年3月15日号にも掲載を予定)。

 なお、この日は、14.5MHz幅のISDB-Tmm送信機のデモも行った(関連記事)。

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