総務省は2010年3月8日、車同士の衝突回避に無線通信を使うITSの技術的条件を検討する「ITS無線システム委員会」の第4回会合を開催した。今回事務局である総務省が提出した技術的条件案の中で「使用周波数を715M~725MHzとすること」「上下5MHz幅のガードバンドを取ること」が示された。この提案によれば、隣接する携帯電話などの移動体通信との境界線は730MHz、地上デジタル放送との境界線は710MHzとなる。

 ITSは地上アナログ放送の終了によって空く710M~730MHzのうち、10MHz幅を使うと決められていた。ただし範囲内のどの周波数を使うか、およびガードバンド幅をどれだけ取るかは明確ではなく、「ITS無線システムの高度化に関する研究会」が2009年6月2日にまとめた報告書では,ガードバンドを縮小できる場合はITSを可能な限り低い周波数に配置して移動体通信の帯域を確保するとしていた。結果的には移動体通信の帯域は増えず、730M~770MHzのままで議論は進む予定である(日経ニューメディア2010年3月8日号に関連記事を掲載)。