頓智ドットは2010年3月4日、iPhone向けの拡張現実(AR)サービス「セカイカメラ」向けコンテンツを開発するためのAPIを公開した。企業や開発者は、このAPIを使って独自のコンテンツを開発し、セカイカメラ内で配信できる。頓智ドットの井口尊仁CEOは、「APIを公開することで、拡張現実の世界をもっと拡大したい。価値あるコンテンツを提供してくれるパートナーが集まり、新たな化学反応を起こすことを期待している」と期待を表明した(写真1)。
公開したAPIの名称は「OpenAir for Publishers API」。ぐるなび、カカクコム、東急ハンズ、リクルートなど日本企業11社が、API対応サービスの開発を表明した。例えばリクルートでは、住宅情報誌「SUUMO」と連動したサービスを提供。町中でセカイカメラを使うと、物件情報が表示されたり、建設中の現場で完成予定のマンションの写真を見たりできる(写真2)。
東急ハンズは、セカイカメラを使っている場所に応じた商品を表示するサービスを開発する。例えば公園内のジョギングコースではランニンググッズ、散歩コースではペット用品、といった具合だ(写真3)。
日本企業以外に、オンラインメモ共有サービスの米エバーノートも登場。同APIを使ったサービスを開発することを表明した。対応サービスは今年後半に提供を開始する。
エバーノートは前日の3月3日に、日本進出を発表したばかり(関連記事)。同社のフィル・リービンCEOは、「前日の発表会では、近い将来に新たな日本企業とパートナーシップを組むと話したが、実は1日後のことだったのだ」(同)と説明した。