写真●米エバーノートのフィル・リービンCEO
写真●米エバーノートのフィル・リービンCEO
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 米エバーノートは2010年3月3日、パソコンやiPhoneなど複数のデバイス間でテキストや画像によるメモを共有できるサービス「Evernote」の日本語化や日本法人設立などを発表した。Evernoteのクライアントソフトは、ソニーのパソコン「VAIO」や、NTTドコモが販売するソニー・エリクソン製のAndroid携帯電話「Xperia」にもバンドルする予定である。

 Evernoteは、テキストや画像、音声、マウスやタッチパネルから入力した手書き文字などのメモをサーバーに保存し、様々なデバイスから利用可能にするサービスだ。クライアントソフトはパソコン版(WindowsとMac)とスマートフォン版(iPhone、Android、Windows Mobile、BlackBerryなど)がある。画像に含まれる文字もサーバー上で認識して検索できるため、保存したメモを検索しやすいのが特徴だ。

 エバーノートのフィル・リービンCEO(写真)は「一つのデータを必ず四つコピーして異なるサーバーに保存するため、データ喪失の危険性が少ない」と説明する。データセンターは、エバーノートが自社で運用。クライアントソフトの配布に、「Amazon S3」を使っているという。

 サービスは無料版のスタンダードと、月額5ドル(年額45ドル)のプレミアムの2種類。無料版は月当たり40Mバイトしかデータをアップロードできないが、有料版は月当たり500Mバイトのデータをアップロードできる。また有料版のみ通信をSSLで暗号化できる。画像に含まれる文字認識はまだ日本語に対応していないが、「今後90日以内に、日本語を認識できるようにしたい」(リービン氏)という。

 Evernoteは2008年6月に一般公開されたサービスで、全世界で250万人の利用者がいる。ソフトやWebサイトが日本語化する前から利用する日本人利用者も多く、既に15万人の日本人がEvernoteを利用し、米国以外では最多という。NTTドコモの投資会社である米ドコモキャピタルから2009年9月に出資を受け、ソニーやNTTドコモなど日本企業との提携も進んでいることから、日本への進出を決断した。ソニーは既に、米国で販売するVAIOにEvernoteをバンドル済み。近日中に、日本で販売するVAIOにもEvernoteをバンドルする予定だ。

 ソニーやNTTドコモのほか、キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)やインフォテリア、アイファイジャパンなどもEvernoteとの提携を発表した。キヤノンMJは、ドキュメントスキャナー「imageFORMULA DR-150」とEvernoteを連携させ、スキャナー本体のボタンを押すだけでスキャン内容をEvernoteにアップロードできるようにする。インフォテリアは開発中のiPhone用カレンダーアプリケーション「TwitCal」とEvernoteの連携を発表。無線LAN接続機能付きメモリーカード「Eye-Fi Share」を販売するアイファイジャパンは、Eye-Fi ShareにEvernoteのプレミアム版1年分をバンドルすることを発表した。