佐川急便の持ち株会社であるSGホールディングスは2010年3月3日、東京都内でIT戦略説明会を開催した。「システム運用・保守費を大幅に削減し、その分を新しいサービスを実現するための戦略IT投資に回す」。SGホールディングスの近藤宣晃経営戦略担当取締役は明言する。具体的には、2015年度のシステム運用・保守費を2009年度に比べて67億円削減する計画である。
運用・保守費の削減を図るために、情報化推進体制も見直す。グループ全体のシステム運用・保守費の最適化を目指し、情報システム子会社である佐川コンピューター・システム(3月21日付で「SGシステム」に社名を変更)に、IT関連の人材、資金、ハード/ソフトなどのリソースを集約。SGシステムがIT統括会社となり、グループ全体で260あるシステムの統廃合を進める。
SGシステムは、グループ企業向けにプライベートクラウド環境を構築し、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)やPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)などを提供する。さらに外部の企業にも、SaaSを提供する計画である。SGシステムの安延申 代表取締役社長は、「外販比率を2012年度末には4割にしたい」と目標を述べる。現在のSGシステムの外販比率は約3割である。