米Hewlett-Packard(HP)はシンガポールに新たな研究所「HP Labs Singapore」を開設したことを、現地時間2010年2月24日に発表した。同施設は、アジア太平洋地域における技術革新のハブとして、クラウド・コンピューティング環境に移行する上で今後10年間に直面するであろう複雑な課題の克服に取り組む。

 HP Labs Singaporeは、同社にとってアジア太平洋で3番目、世界では7番目の研究施設となる。幅広いプロジェクトを手がける予定で、データセンターやアプリケーション・デザインの原則を根本的に見直し、将来のクラウド・コンピューティングがどうあるべきかを探求するとしている。

 他の研究所が進めているクラウド関連のプロジェクトをサポートし、カリフォルニア州パロアルトの研究所(Service Automation and Integration Lab)や英ブリストルの研究所(Automated Infrastructure Lab)と密に連携する。また、顧客、パートナ、大学や、HPの各部門とも協力し、同社のクラウド・ソフトウエア・プラットフォーム構築プロジェクト「Cirious」の推進を図る。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると、Ciriousは仮想化技術を利用し、アプリケーションがサーバーやデータセンター間をより自由に移動できる環境の提供を目指す。米VMwareなどの技術を採用するが、既存のハイパーバイザを使うか、新たな仮想化技術を用いるかについては明らかにしていない。

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