日本航空インターナショナル WEB販売室マネージャー 丸山貴史氏
日本航空インターナショナル WEB販売室マネージャー 丸山貴史氏
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フォルシア 取締役技術部部長の原田均氏
フォルシア 取締役技術部部長の原田均氏
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Spookのアーキテクチャ(フォルシアの資料より引用)
Spookのアーキテクチャ(フォルシアの資料より引用)
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 フォルシアは2010年2月24日、日本航空インターナショナルが2010年2月18日にリニューアルしたツアー販売サイト「JAL eトラベルプラザ」に検索エンジン「Spook」が採用されたと発表した。Spookはオープンソースのデータベース管理システムPostgreSQLをベースにフォルシアが開発、ユーザーの使い勝手を高めた検索エンジン。

 「JAL eトラベルプラザ」は、インターネットで海外国内のツアーを販売するサービス。月間のページビューは約2億で、国内ツアー約4万7000件、海外ツアー約5万5000件を扱っている。

 「従来の検索システムでは、日付や目的地だけを指定すると検索結果が多すぎて選べない、何度も検索しないと目的のツアーにたどりつけない、などの問題があった。新しい検索システムは、エリアやテーマ、目的、予算の金額範囲や旅行日数などの選択候補を表示し、クリックするだけで結果を次々と絞り込める。ユーザーのニーズがぼんやりしていても、自分にあったツアーを探し出せる」(日本航空インターナショナル WEB販売室マネージャー 丸山貴史氏)。また、ユーザーの可能な検索要求を先回りして検索しておくことで、すぐに検索結果を返すことができる。

 「従来の検索システムでは、検索したユーザーの9割以上は成約に至ることなく帰ってしまっていた。新しい検索システムでは、購入するユーザーの割合を1.3倍~2倍に増やすことができると期待している」(日本航空インターナショナル 丸山氏)。フォルシアによれば「Spookをすでに導入している他の旅行会社や航空会社では、導入後1年で成約率が1.2~2倍に増加している」(代表取締役社長 屋代浩子氏)という。導入期間は3カ月。導入費用は明らかにしていないが「費用対効果は非常に高い」(日本航空インターナショナル WEB販売室長 佐々木康人氏)としている。「新しいJAL eトラベルプラザを、再生JALの目玉商品としたい」(日本航空インターナショナル 佐々木氏)。

 SpookはPostgreSQLのほか、Javaアプリケーション・サーバーのTomcat、仮想マシン・モニタのXen、Linuxといったオープンソース・ソフトウエアを利用して構築している。開発の中心となっているのはフォルシア 取締役技術部部長の原田均氏。原田氏はSpook開発の過程で、データの分析を効率的に行うWindow関数をPostgreSQL上に実装。そのコードをPostgreSQLコミュニティに提供、最新版であるPostgreSQL 8.4に正式採用されている(PostgreSQL Conference 2009での原田氏の講演資料とビデオ[英語])。

 フォルシアでは、今後SpookをASPで提供、複数の宿泊サイトを一括して検索できる機能などを実現していく方針。

■変更履歴
タイトルと第1段落に「PosgtreSQL」という記述がありましたが、正しくは他の段落と同じく「PostgreSQL」です。お詫びして訂正します。タイトルと本文は修正済みです。 [2010/02/25 12:49]