図1●公開実験の概要
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図2●配信データの流れ
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図3●配信機器の構成
図3●配信機器の構成
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図4●入稿データから自動変換フローを確立する
図4●入稿データから自動変換フローを確立する
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図5●新しいコンテンツ表現を提案する
図5●新しいコンテンツ表現を提案する
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図6●コンテンツ変換の流れ
図6●コンテンツ変換の流れ
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図7●コンテンツと機器、ビューワーの相関図
図7●コンテンツと機器、ビューワーの相関図
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 デジタル放送波を活用して新聞や雑誌などの紙メディアを配信するプロジェクトを推進する「AMIOフォーラム」は,2010年3月2日に放送波を使ったコンテンツ配信の公開実験を行うと発表した。2010年2月19日に開催した同フォーラムの第3回総会で、実証実験の詳細を説明した。

 公開実験は2010年3月2日の14~17時にかけて、慶応義塾大学三田キャンパス(東京都港区)で実施する。公開実験では(1)雑誌や新聞などの入稿データの送信用フォーマットへの自動変換、(2)IP対応したワンセグ放送波での送信、(3)各種ポータブルデバイスでの表示――などの、技術的な検証を主な目的としている。コンテンツとして日本雑誌協会が提供協力した雑誌16誌をはじめ、雑誌やテキスト本、新聞などを配信する。

 実験ではコンテンツを配信する先の端末として、デジタルテレビのほか電子書籍専用端末、デジタルフォトフレーム、携帯型ゲーム機、ネットブック、スマートフォンを用いる予定である。このうちデジタルテレビ以外の端末は、標準で放送波を受信する機能を持たないことから、別途放送波を受信し配信コンテンツを蓄積するモジュールに、各端末が無線LANでアクセスしてコンテンツを表示する。

 実験では、NewsMLやIndesign、PDF、JPGなどのフォーマットで提供された新聞や雑誌のデジタルデータにメタデータを付与し、一度IDML形式の中間フォーマットに変換する。この中間フォーマットをPDFとRSS、HTML、ePub(独自拡張)の四つの配信データに再変換し、これらをまとめてパッケージ化して放送波で配信する。一連のフォーマット変換作業を自動化するために、既存の誌面(紙面)データを作成する際に追加するメタ情報や、配慮すべき点を「コンテンツオーサリングガイドライン」としてまとめる。

 AMIOフォーラム代表の中村伊知哉慶応義塾大学教授は冒頭の挨拶で、「KindleやiPadなど、海外から新しいデバイスが登場している。海外のプラットフォームに対して自分たちのプラットフォームをどうするのかという課題への答えを、実践を通して探りたい」と意気込みを述べた。