写真1●エリクソンのハンス・ヴェストベリCEO
写真1●エリクソンのハンス・ヴェストベリCEO
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●AT&Tのジョン・ドノバンCTO
写真2●AT&Tのジョン・ドノバンCTO
[画像のクリックで拡大表示]

 「2020年には、ネットワークにつながる端末が500億台に達する」---2010年2月15日に開幕した「Mobile World Congress(MWC)2010」の初日,スウェーデンのエリクソンが報道関係者とアナリスト向けイベントを開催。1月1日に就任したばかりのハンス・ヴェストベリCEOが登壇し,今後のモバイル市場の展望を語った(写真1)。

 ヴェストベリCEOは,まず2009年を振り返り,経済環境が非常に厳しいながらも,モバイル・データ通信の伸びは著しいと総括。この傾向は2010年も続くだろうとした。

 同CEOは,ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの「Xperia」やソニーの電子書籍端末「Reader」をかざしながら,これらの端末がモバイル・データ通信市場をけん引するとした。いずれも,関連会社であるST-エリクソンの通信モジュールが搭載されているという。

 その上で,2015年までにモバイル・パソコンの台数は2009年に比べて6倍,そのトラフィックは50倍になるという見通しを語った。モバイル・パソコンには及ばないが,スマートフォンの台数は同4倍,トラフィックは25倍になるという。その後,2020年までにはネットワークにつながる端末の台数が500億台に達するとの予測も披露した。

 会見には,米AT&Tのジョン・ドノバンCTO(最高技術責任者)も登場,北米市場でのデータ需要が旺盛なことや「ネットワーク接続される端末の台数が増えることは通信事業者にとってチャレンジ。だが,3GからLTE/4Gへの移行がよい解決策になる」とLTEへの期待を語った(写真2)。AT&Tは最近,エリクソンとLTEのネットワーク設備に関する契約締結を発表したばかりである。

 エリクソンは,MWC2010に合わせて,LTEによる1Gビット/秒の通信を実証したことを発表している。20MHz幅のキャリアを4個束ね,4×4のMIMO(multiple-input, multiple-output)技術を利用することで実現した。