システム開発会社ニイウスコーが不適切な会計処理をした事件で、横浜地方検察庁は2010年2月11日、金融商品取引法違反容疑で、同社の末貞郁夫元会長と大村紘一元副会長を逮捕した。日本経済新聞など各報道機関が報じた。

 ニイウスコーは現在民事再生手続き中だ(関連記事1関連記事2)。2008年4月30日に、末貞元会長ら旧経営陣が行った不適切な会計処理を調査した結果、2008年6月期の中間決算で連結自己資本が278億円の債務超過になったとして、東京地方裁判所に民事再生手続きの開始を申し立てた。

 調査では、過去の56取引において売上金総額682億円の不適切な取引が見つかった。「実態のないとみられるスルー取引」や「リース契約を利用した不適切な循環取引」、「売り上げの先行計上とその後の失注処理、買戻しによる循環取引」など大きく5パターンの取引があったという。

 ニイウスコーは旧経営陣の法的責任を追及するとし、末貞元会長などにヒアリングを実施したところ、「末貞氏はヒアリングの要請に応じたが、不適切な取引は認識していなかったと回答した」と説明していた。