シマンテックは2010年2月8日、情報漏洩対策ソフトの新版「Symantec Data Loss Prevention(DLP) 10」の販売を開始した。ユーザーインタフェースを日本語化したほか、他社のファイル暗号化ソフトなどとの連携機能や、独自形式ファイルの漏洩防止機能などを新たに搭載した。

 DLP 10は、クライアントPCやストレージにインストールし、あらかじめ定義した重要情報を含むファイルを監視するソフトウエアである。ハードディスク内のファイルをスキャンし、どのファイルにどのような情報が含まれるかを調べる。重要情報を含むファイルの持ち出しや外部送信、印刷などの操作を検知すると、それを止める機能を備える。

 新版で新たに搭載した機能は、大きく四つある。一つは、クライアントPC用ソフトとそれを管理するサーバー用ソフトの画面を日本語化したこと。同時に中国語、フランス語にも対応した。二つめは、日本人の名前や、郵便番号、銀行口座番号などをファイルから検出するためのテンプレートを用意したことである。システム管理者が簡単にポリシーを設定できるようになった。

 三つめは、独自形式のファイルも監視、管理できるようになったことだ。ユーザーが個別に開発したアプリケーションで作成したファイルでも、それを検知し、あらかじめ設定したポリシーに応じて漏洩を防ぐことができる。ファイルのヘッダー情報などで種類を判別するため、拡張子が異なる場合にも対応可能だ。

 四つめが、ほかのソフトウエアとの連携機能だ。例えばシマンテックの企業向けセキュリティ対策ソフト「Endpoint Protection」と連携し、重要ファイルを何度もUSBメモリーにコピーしようとするPCは、自動的にUSBメモリーを使用できないようにすることができる。日本PGPのファイル暗号化ソフト、日本オラクルやマイクロソフトのファイル操作制限ソフトとも連携できるようになった。

 価格は非公開。1000台のクライアントPCで利用する場合は1200万円程度という。