The Linux Foundation ジャパンディレクタに就任した福安徳晃氏
The Linux Foundation ジャパンディレクタに就任した福安徳晃氏
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 The Linux Foundationは2010年2月4日、ジャパンディレクタに元ゼンドジャパン社長の福安徳晃(ふくやす のりあき)氏が就任したことを発表した。また国際技術シンポジウム「Japan Linux Symposium」の第2回を2010年9月に開催することを明らかにした。The Linux FoundationはLinus Torvalds氏がフェローとして在籍するLinux推進組織。

 福安氏は日立製作所を経て2005年10月にターボリナックス入社、海外事業本部長として中国、インドなどの海外事業を統括。2006年4月からTurbolinux India社長、2008年1月からターボリナックスの子会社であるゼンドジャパンの代表取締役社長を務めていた。

 福安氏は「『個人で利用するもの』だったオープンソース・ソフトウエアは『企業における競争力向上の手段』となり、今後は『オープン・イノベーションによる新市場創出のための場』へとステージを移しつつある」と語り、「企業からのLinuxカーネルに対する貢献で、日本企業は上位20以内に入るようにはなったが、世界における日本企業の存在に比べればまだその貢献は少ない。オープンソース・ソフトウエアに対する日本企業の理解をさらに深めてもらうために努力したい」と抱負を述べた。

 また新たに杉田由美子氏がThe Linux Foundationのテクニカルコンサルタントに就任した。杉田氏は日立製作所 システム開発研究所でLinuxカーネルの機能強化に従事、2007年10月より同研究所のLinux Technology Centerの部長を務めてきた。

 「Japan Linux Symposium」はThe Linux Foundationなどが開催する国際技術会議。2009年10月に第1回が行われ、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)と共催した基調講演にはLinus Torvalds氏が登壇した。2010年は9月27日から29日にかけて開催する。

 また日本に向けて、個人会員制度の特典を拡充するとともに、トレーニングを実施する。個人会員は“Linuxサポーター”として、The Linux Foundationのイベント参加費の割引やLinux.comドメインのメール・アドレス、Linux FoundationのオリジナルTシャツを提供している制度。日本向けには、O'Reilly Japanの書籍やDell製の日本語環境パソコンの割引などを新たに提供する。年会費は99ドル。トレーニングは2010年3月より東京で開始、第1回はデバイス・ドライバの作成方法について英語でのトレーニングを行う。