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 富士通は2010年1月29日、2009年4~12月期の決算を発表した。売上高は前年同期比5.0%減の3兆3334億円だったが、営業利益は同15.2%増の153億円だった。半導体事業の構造改革や、赤字だったハードディスク事業の譲渡、費用削減などが寄与した。「直近3カ月では、全セグメントで増収を果たし、累計で営業黒字に転換できた」と加藤和彦執行役員上席常務(写真)は述べる。

 ただし、情報通信事業の「テクノロジーソリューション」分野の回復は遅れている。売上高は前年同期比1.9%減の2兆1684億円だった。営業利益は同34.8%減の506億円。国内で製造、流通、金融分野の投資抑制が続いているほか、欧州の景気回復が遅れていることが響いた。

 通期予想については、売上高を500億円下方修正し、4兆7500億円にした。2009年度第4四半期に向けてテクノロジーソリューションの業績回復が見込めないことが理由である。営業利益の予想は900億円で据え置いた。結果として2009年度は増収増益と予想している。テクノロジーソリューションの落ち込み分を、携帯電話や車載ナビゲーション機器など、好調な他分野の事業が埋め合わせすると判断した。