写真1●台湾の銀行カード専用ATM(右)
写真1●台湾の銀行カード専用ATM(右)
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写真2●北海道銀行の堰八義博頭取
写真2●北海道銀行の堰八義博頭取
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写真3●新サービスの開始記念式典の様子
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 北海道銀行は2010年1月27日、台湾の銀行のキャッシュカードが使える専用ATMを札幌市内の中心部などに設置したと発表した。専用ATMに台湾の銀行カードを差すと、台湾の銀行口座から日本円で現金が引き出せる(写真1)。

 「北海道には台湾から毎年20数万人の観光客が訪れる。その方々の利便性を高め、観光客のさらなる誘致によって地域経済の発展を支援していきたい」。道銀の堰八義博頭取は同日、新サービスの開始記念式典でこう述べた(写真2)。

 専用ATMの設置と併せて、道銀は百貨店や量販店などで台湾の銀行カードを使って買い物ができるサービスも始めた。国内のデビットカードと同じ仕組みで、百貨店や量販店、宿泊施設などに設置した専用端末を使い、台湾の銀行口座から利用額を差し引く。

 道銀が始めた新サービスの総称は「台湾ATM・SmartPayサービス」。同サービスを使うと、台湾の観光客は現金を持たずに買い物ができる。専用端末を置いていない店舗に出向くときは、専用ATMで日本円を引き出せば、現地通貨を日本円に両替をする手間が省ける。

 台湾ATMサービスについては、台湾の銀行間のネットワークと、NTTデータの決済システム「CAFIS」をつないで実現した。SmartPayサービスについては、台湾の銀行間ネットワークと、道銀のカード子会社である道銀カードのシステムを専用線で結んでいる。

 新サービスは、道銀、道銀カード、NTTデータ、台湾の銀行間ネットワークを運営する「フィナンシャルインフォメーションサービス」、および台湾の銀行が連携して提供開始に漕ぎ着けた。サービス開始当初は、台湾銀行、台湾土地銀行、合作金庫銀行、第一銀行、華南銀行、彰化銀行、兆豊銀行、台湾中小企業銀行、玉山銀行といった大手9行のカードが使える。

 道銀は、新サービスの提供エリアを北海道の主要都市に広げていく。堰八頭取は「ほかの地域金融機関にもノウハウを開放し、サービスの全国拡大にも協力していきたい」と述べた。記念式典には台湾の銀行関係者、日本の政府関係者などが列席した(写真3)。