写真●会見で記者の質問に答える山本正己次期社長(右)と間塚道義代表取締役会長兼社長(写真は小久保 松直)
写真●会見で記者の質問に答える山本正己次期社長(右)と間塚道義代表取締役会長兼社長
(写真:小久保 松直)
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 富士通は2010年1月22日、山本正己執行役員常務(同日付で執行役員副社長に就任)を4月1日付で執行役員社長へ昇格させる人事を発表した(関連記事1関連記事2)。会見には、新社長になる山本正己氏と4月1日付で代表取締役会長に専任する間塚道義氏が登壇した(写真)。会見での一問一答は以下の通り。

社長に山本氏を選ぶまでの経緯は。

間塚氏:2009年10月に大浦溥アドバンテスト相談役を委員長とした「社長指名委員会」を設置し、次期社長の選定に取り掛かった。委員は、大浦溥氏と、野中郁次郎一橋大学名誉教授、そして私の3人だ。委員会では、社長がなすべき役割や、副社長も含めた体制のあり方などを議論した。

 大浦委員長は、副社長や上席常務、常務、執行役の一部に面接を実施した。面接結果も踏まえて、委員会として10人程度に次期社長候補を絞り込んだ。この間に、1回3時間の会議を合計で3回実施した。最終的に3人一致で山本氏に決めた。

 今週月曜日(1月18日)に、山本氏に社長内定の意向を伝えた。最初、山本氏は驚いた様子だったが、数分後には決心した様子で「お受けする」との答えをもらった。ある程度、覚悟していたのかもしれない。

山本氏:正直にいって重責だ。しかし、誰かがやらないといけないのであれば、逃げずに取り組もうと決意した。

人選の条件は。

間塚氏:56歳という若さが、重要な理由の一つだ。歴代社長の中でも55歳9カ月で社長に就いた山本卓眞氏に次いで2番目の若さになる。今回同時に発表した副社長に関しても、私と引き続き執行役員副社長を務めるリチャード・クリストウを除けば、みな50代である。

山本氏は取締役会メンバーとして意思決定した経験がない。

間塚氏:取締役会メンバーから選ぶのか、新しい人から選ぶのかを天秤にかけた結果、私は新しい人に賭けたということだ。4月までは、取締役会にオブザーバーとして参加してもらい、経験を積んでもらう。

歴代社長にはなく、山本次期社長にある強みは何か。

山本氏:黎明期から手掛けてきたパソコン事業の経験だ。今後グローバル展開を進めていくうえで、この経験が必ず生きてくると考えている。

副社長に就く5人のうち、4人が山本氏の先輩だ。やりにくくないか。

山本氏:そうした状況は、課長、部長時代にも経験している。そもそも役員クラスになれば、年齢は関係ない。