NTTドコモとソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(以下,ソニー・エリクソン)は2010年1月21日,Androidを搭載したスマートフォン「ドコモ スマートフォン Xperia(以下,Xperia)」を発表した。2010年4月に発売開始予定。併せてNTTドコモは,料金プランの一部改定とスマートフォン向けポータル・サイト「ドコモマーケット」の開設を発表。料金プランの改定では,スマートフォン向けのパケット定額サービスであった「Biz・ホーダイ ダブル」をiモード端末向けの「パケ・ホーダイ ダブル」に統合し,スマートフォンでも最大月額5985円(税込)で定額通信が可能になる。

 Xperiaは米QualcommのSnapdragonチップセット(プロセサ・コアは1GHz動作),384MバイトのRAMと1GバイトのROMを搭載する。ディスプレイは480×854ドット,6万5536色の表示が可能な,約4インチ(10.2cm)のTFT液晶。約810万画素のCMOS撮像素子を採用したカメラを内蔵し,最大3264×2448ドットの静止画や最大800×480ドット,30フレーム/秒の動画を撮影できる。このほか,IEEE802.11b/g準拠の無線LAN機能,GPS(全地球測位システム),Bluetoothも内蔵する。さらにmicroSDHCカード・スロットを搭載し,最大16GバイトのmicroSDHCカードを装着できる。OSはGoogle Android 1.6。米Googleから提供を受けたAndroidマーケットClient,Gmail,Google CalendarなどのAndroidアプリケーションもプリインストールする。

 ソフトウエア面での特徴は,ソニー・エリクソン独自のアプリケーション「Mediascape」と「Timescape」を搭載したこと。Mediascapeは画像,ビデオ,音楽などのマルチメディア・データを一元管理するソフトである。本体内のデータに加え,Web上の写真/動画共有サービスのコンテンツもシームレスに扱えるほか,再生中のコンテンツに関連するWebサイトの検索などができる。

 Timescapeはコミュニケーション履歴を一元管理するソフト。不在着信,メール,写真など本体内に収められているデータのほか,mixi,Twitter,Facebookなど複数のWeb上のサービスを横断する形で履歴を時系列で管理する。例えば,内蔵カメラで人物を撮影すると,あらかじめ登録した顔写真と照合して被写体の名前を記録し,その写真を表示するときには名前も一緒に表示するようになる。名前を表示している個所をタッチすることで,電話帳を呼び出したり通話履歴やTwitterへのつぶやきなどを閲覧したりできる。

 こうした独自アプリケーションの仕組みは,サードパーティにも開放する。例えばTimescapeについては「XperiaではあらかじめFacebook,Twitter,mixiなどに対応した形で提供するが,ダウンローダブルな追加ソフトウエアでの拡張もできる。今後,SDK(ソフトウエア開発キット)の配布なども含め,オープンなプラットフォームにしていく」(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ 商品企画部統括部長の大澤斉氏)という。

 スマートフォン市場で競合するソフトバンクモバイルのiPhoneに対しては「ハード,ソフトの両面で優位性がある。ハードの面ではまずスピード。下りで最大7.2Mビット/秒,アップリンクも速い(最大2.0Mビット/秒)。より高精細なディスプレイ,高画質のカメラなどもある。ソフトウエア面ではマルチタスクが可能であることや,日本人に向けて作った『ドコモマーケット』を用意することなどを挙げられる」(NTTドコモの山田隆持社長)。「Androidはオープンなソフトウエアだ。(Googleが運営するAndroidアプリケーション配布サイトの)Androidマーケットとつながっていることが大きい。開発者がどんどんiPhoneからAndroidに移ってきている。Androidの方に大きな市場があると考えているからだ」(Sony Ericsson Mobile CommunicationsのBert Nordberg社長)と指摘した。