写真1●アドレス移転ポリシーを説明するポリシーワーキンググループの中川あきら氏
写真1●アドレス移転ポリシーを説明するポリシーワーキンググループの中川あきら氏
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写真2●JPNICオープンポリシミーティングショーケース 3に登壇したAPNICのポール・ウィルソン事務局長
写真2●JPNICオープンポリシミーティングショーケース 3に登壇したAPNICのポール・ウィルソン事務局長
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 2010年1月20日、新潟市内で「JPNICオープンポリシミーティングショーケース 3」が開催された。主催は日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)ポリシーワーキンググループ。グローバルネットコアが協力した。最近の話題から、「IPv4アドレスの移転」「4バイトAS番号の配布」などに関する解説があった。

 IPアドレスの移転はIPv4アドレス枯渇対策の一つで、違う企業などでIPアドレスをやり取り(譲渡・売買)すること。現在は、企業の吸収合併に伴うケースでしか移転は認められていない。アジア太平洋地域のRIR(地域インターネットレジストリ)であるAPNIC(Asia Pacific Network Information Centre)は、2010年2月10日にアドレス移転ポリシーを実施予定と既に表明している。JPNICは現在、アドレス移転ポリシーの具体的な施行準備を検討しているが、ポリシーは基本的にAPNICと同じだ。

 この会合にはポリシーワーキンググループから中川あきら氏が登壇。アドレス移転が議論されるようになった背景や移転可能な範囲、移転の条件、他地域の移転ポリシー施行状況を説明した(写真1)。また、来日したAPNICのポール・ウィルソン事務局長が、APNICのアドレス移転ポリシーを紹介。同事務局長は、APNICのメンバーがIPv4アドレスを移転する際の手順や移転の条件、料金は理事が今月決定予定であるといった点も解説した。

 ウィルソン事務局長は講演で、APNICオープンポリシーミーティングの内容とポリシー策定のプロセス、2010年の活動についても説明。最後に世界五つのRIRで構成するNRO(number resource organization)がIPv6の実装を呼びかけたプレスリリースを紹介した。これはIANAのIPv4アドレス在庫が10%を切ったことに関連して発表したものだ。同事務局長は、「2010年はIPv6実装の年といえるようにしたい。皆で進めていくことが必要だと考えている」とコメントした。APNICは来週にも、IANAの在庫が10%を切ったことに関するプレスリリースを出す予定だ。

 プロバイダーを識別するためのAS番号も、2バイトASが2011年末といったタイミングで枯渇することが予想されており、4バイトASの配布が始まっている。この会合では、4バイトAS番号の対応などについての動向とJPNICにおける4バイトAS番号の配布ポリシーの解説もあった。2010年1月4日に施行された2バイトと4バイトの区別なくAS番号を配布するポリシーの運用などについて、参加者に意見を求めた。このほか会合では、IPv6アドレス割り当ての簡易化およびJPNICで施行準備中のポリシーについて説明があった。

[NROが1月19日に出したプレスリリースへ]