写真●トレンドマイクロの大三川彰彦取締役
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 トレンドマイクロは1月21日、仮想環境に対応したサーバー向けセキュリティ製品「Trend Micro Deep Security」を発表した。サーバーOSのぜい弱性を狙ったゼロデイ攻撃を防いだり、不正侵入やWebサイトの改ざんを検知したりする。受注開始は3月1日、出荷開始は3月15日。価格は8万4000円から。

 Trend Micro Deep Securityは、IDS(侵入検知)/IPS(侵入防止)、Webアプリケーションプロテクション、ファイアウォール、改ざん検知、セキュリティログ監視という五つのセキュリティ機能を持つ。トレンドマイクロが2009年4月に買収した米サードブリゲイドが開発した製品。仮想化ソフト「VMware」で構築した仮想環境で稼働する仮想サーバーを一元管理することを可能にする。

 製品は「エージェント」「Virtual Appliance」「マネージャ」をラインアップした。エージェントは、サーバーや仮想サーバーごとに導入してサーバー全体を保護する。対応OSは、Windows、Solaris、Red Hat Enterprise Linux、HP-UX、AIXなど。対応するOSであれば仮想環境のゲストOSにも導入できる。Virtual Applianceは仮想環境のホストOSに導入し、仮想環境で稼働する複数の仮想サーバーを一括して保護する。ヴイエムウェアの仮想化ソフト「VMware vSphere 4」で利用できる。マネージャは、エージェントとVirtual Applianceを統合管理するツールである。

 トレンドマイクロは今回の新製品発表に合わせて、今後の事業方針についても発表した。同社の大三川彰彦取締役(写真)は「企業ITのクラウド化は加速する。当社はクラウドに最適化したセキュリティソリューションを提供することに注力する」と話す。同社は、クローバルに事業展開するメーカーと協業して総合的なセキュリティ対策を施せるソリューションの開発を進める。販売面では、各国・地域ごとにソリューション提案を得意とするパートナー企業と組んで拡販していく。

 トレンドマイクロは、「セキュリティ情報/イベント・ぜい弱性管理」や「セキュリティ管理/監視サービス」などを戦略商材と位置付けている。全体の売上規模に占める戦略商材の割合は2009年で数%だったという。クラウドに対応したセキュリティソリューションの拡充と販売体制の強化によって、2010年には18%まで引き上げることを目指す。「特にセキュリティ意識の高い欧米市場は有望。同市場には人的リソースの積極的に投資していく」と大三川取締役は話す。