写真●米Microsoftの上級副社長兼法務顧問のBrad Smith氏
写真●米Microsoftの上級副社長兼法務顧問のBrad Smith氏
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 米Microsoftは米国時間2010年1月20日、米国議会とIT業界に対してクラウド・コンピューティング環境におけるプライバシやセキュリティ保護に取り組むよう要請し、クラウド・コンピューティング推進に向けた法律「Cloud Computing Advancement Act」の確立を提案した。

 同法案は、技術革新の促進と消費者の保護を図るほか、データ・プライバシやセキュリティに関する重要問題を解決するためのツールを政府機関に提供することを目指すとしている。

 その一環として、プライバシ保護の規定強化を目的とした電子通信プライバシー保護法の改正、インターネット犯罪の摘発を可能にするためのコンピュータ詐欺および不正使用取締法の近代化、国際的なデータ・アクセスの問題に対応するための新たなフレームワーク策定などが急務だと主張した。

 Microsoft上級副社長兼法務顧問のBrad Smith氏(写真)は、クラウド環境に関する信頼構築手段について国民的な対話が必要であり、国際的な意見交換の場も設けて、いずれの国でもユーザーのデータが共通の法規で保証されるようにするべきだと述べた。

 Microsoftの調査によると、民間人の58%と企業リーダーの86%はクラウド・コンピューティングの将来性に期待している。しかし、いずれも90%以上が、セキュリティやプライバシーについて懸念を抱いている。また、回答者の過半数が、米国政府はクラウド・コンピューティングの法規やポリシーを確立するべきだと考えている。

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