米Googleが同社主導のモバイル・プラットフォーム「Android」を搭載した携帯電話2機種の中国投入を延期した。米英メディア各社が中国で現地時間2010年1月19日に報じたもの。Googleは理由を明らかにしていないが、中国当局との対立が検索サービス以外の事業にも影響を及ぼしたとメディアは見ている。

 米Wall Street Journal米New York Times英Reutersなどの報道によると、韓国Samsung Electronicsと米Motorola製のAndroid搭載スマートフォンが、中国China Unicom(中国聯合)を通じて1月20日に発売される予定だった。しかし中国におけるGoogle事業の将来が不確定であることから、リリースすべきではないと判断したと、関係筋が語ったという。

 Googleは1月12日、中国における検索サービス「Google.cn」の方針を見直し、検索結果の検閲を取りやめることを表明(Googleの公式ブログ)。同社サービスを利用している中国の人権活動家のアカウントが攻撃を受けたなどとして、中国からの撤退の可能性を示唆している。中国外交部報道官は1月19日、「中国でビジネスを展開する外国企業は、中国の法規を尊重するべきだ」と改めて強調し、「Googleも例外ではない」と述べた。

 中国では既に米Dell製Android端末が販売されているが、これはAndroidを中国China Mobile(中国移動)が独自仕様にカスタマイズしたプラットフォームをベースにしている(関連記事:Dellがスマートフォン市場参入,端末は中国移動の「OPhone」がベース)。それに対し、20日発売予定だった2機種はGoogleサービスとの密な統合が特徴だ。今後Googleが撤退すればこれらデバイスでGoogleサービスが使えなくなるため、需要は疑わしいものになるとWall Street Journalは指摘している。