米iSuppliは米国時間2010年1月8日,米GoogleのAndroid携帯電話端末「Nexus One」を分解して調査した原価分析結果を発表した。それによると製造コストやソフトウエア開発費などを含まない部品原価は174.15ドルとなった。

 Nexus OneはGoogleが5日に販売を開始した台湾High Tech Computer(HTC)製の携帯電話端末。通信キャリア(米T-Mobile USA)と2年間契約する場合は179ドルで、通信契約をしないアンロック・モデルは529ドルで販売している(関連記事:Google、Android携帯電話「Nexus One」を発売、アンロック版は529ドル

 Nexus Oneで最も部品原価が高いのは米Qualcomm製のチップセット「Snapdragon」で、その推定原価は30.50ドル。Nexus Oneの部品原価全体に占める割合は20.4%となる。iSuppliによると、 Snapdragonは東芝製Windows Mobile端末「TG01」にも搭載されているが、Android 2.1ではアプリケーションやユーザー・インタフェース 、720pの高精細(HD)ビデオデコードなどが機敏に動作し、Snapdragonの性能をより引き出すことに成功しているという。

 2番目に高額だったは、Samsung Mobile Display製のアクティブ・マトリックス式有機EL(AMOLED)。推定原価は23.70ドルとなる。AMOLEDは3.2型のものがSamsung ElectronicsのAndroid携帯電話端末「I7500」に採用されているが、Nexus Oneはそれより大きい3.7型を搭載している。そして3番目に高額な部品はSamsung Semiconductor製のメモリー(マルチチップ・パッケージ)で20.40ドルだった。こちらは部品原価全体の11.7%を占めている。

 このほかNexus Oneは、iPhoneと同様のユニボディ構造、ノイズ・キャンセレーションのためのマイクロフォンや音声プロセサなどを搭載しており、その分部品原価が高くなっている。しかしこうした他機種にあまり見られない特徴がNexus Oneを先進的なスマートフォンにしているとiSuppliは分析する。

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