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 フィンランドのノキアは「2010 International CES」で,モバイル製品やサービスのコンテスト「Growth Economy Venture Challenge」を開始すると発表した。基調講演に立った同社のオリ-ペッカ・カラスブオCEOが紹介したもので,「1日当たりの収入が5ドル以下」(同CEO)の市場向けの製品やサービスが対象となる。モバイル・サービスによる,低所得市場の生活向上を目指した活動である。

 最優秀アイデアの賞金は100万ドルで,ノキアはアイデアの事業化や,ベンチャー・キャピタルからの追加投資獲得にも協力するという。コンテストの締め切りは2010年4月18日。最終候補は5月半ばまで,最優秀者は6月に発表される予定になっている。

 カラスブオCEOの基調講演では,世界の発展途上国に足を運んでいる同社の製品設計の担当者やジャーナリストを招き,発展途上国には欧米や日本などの先進国とは違った要求があることを紹介した。先進国では,モバイルによるデータ・サービスと言えばエンタテインメント色が強いが,発展途上国の中には,農業における天気予報の取得,家族間の安全な送金手段などにおいて携帯電話が唯一の手段であるところもある。生きていくために欠かせないツールなのである。カラスブオCEOは,「生活費を削ってでも携帯電話を手に入れたいという人たちに製品を提供していることを考えると,自らは謙虚にならざるを得ない」と語った。