ネットワークバリューコンポネンツ(NVC)は2009年12月29日、同社がプロバイダー向けに提供するラージスケールNAT(large scale NAT、以下LSN)サービス「LSNクラウド・サービス」の実証実験の結果を発表した。インターネットVPNで接続した拠点間で、LSN機能を提供することができたという。同社は社内に同サービスを担当するJPTRANSプロジェクトを立ち上げ、同年9月に実証実験を始めていた(関連記事)。同年12月には同サービスのネットワークをIX(internet exchange)の「JPNAP」に接続したと発表している。

 LSNはIPv4アドレスの枯渇対策の一つで、プロバイダーなど通信事業者側の装置でNAT(network address translation)を実行することにより、一つのグローバルアドレスを多数のエンドユーザーで共用する。その結果、IPv4アドレスの消費を抑えることができる。

 今回、実証実験に成功したことで「プロバイダー側にLSN装置を一切置かずに、IPv4アドレス枯渇対策を実現できる環境が整った」(NVC)という。実証実験では、プライベートアドレスを割り当てたIPv4ネットワークと、LSNクラウド・サービスのネットワークを、インターネット上に生成したトンネルを通じてVPN接続。その上でプライベートアドレスを共用することに成功したという。トンネリングにはPPTPを利用している。

 LSNクラウド・サービスの正式なサービス提供については、「時期は追って発表する」(同社)としている。

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■変更履歴
記事公開当初、本文の最終行とタイトルで正式サービスの開始見通し時期を2010年第1四半期としていましたが、正しくは「時期は追って発表する」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。タイトルは該当個所を削除しました。[2010/01/06 18:30]