図●イーパーセル「e-Parcel VCN-AX」新バージョンの画面
図●イーパーセル「e-Parcel VCN-AX」新バージョンの画面
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 イーパーセルは、大容量ファイル送受信サービスの機能を強化し、1月に提供を開始する。ファイルサイズの制限をなくすほか、暗号通信の仕組みを刷新する。また来夏には、サービスで使用しているサーバー側ソフトウエアをパッケージ製品として販売する。

 機能を強化するのは、メールと同じ操作感で利用できる「e-Parcel VCN CommCenter」と、クライアントPCやサーバーのバックエンドでファイルを送受信する「e-Parcel VCN-AX」の二つのメニューである()。どちらのメニューも、ファイルをやり取りするPC双方にソフトウエアをインストールし、イーパーセルが運用する中継サーバーを介してファイルを送受信する仕組みは同じだ。

 これまではファイル容量の制限が2Gバイトまでであったが、無制限にする。「製造業を中心に、もっと大きなデータをやり取りしたいという要望が強まったため」と、北野譲治社長はその理由を説明する。

 またファイルを送受信するPC間の通信を、エンド・ツー・エンドで暗号化する機能を搭載した。従来は、送信側PCとサーバー間の通信を暗号化し、サーバーが受信側PCにファイルを送信する際に別の暗号化処理をしていた。

 イーパーセルのサービスは、サーバーにファイルを残さない方式である。そのため、いったん暗号化を解く方式でもセキュリティ上の不安はないと考えていたが、より強固なセキュリティ対策を求める企業が増えると考え、新機能を実現した。月額料金は据え置く予定だ。

 また2010年夏に、サーバーソフトの販売も開始する。これまではイーパーセルが運用するサーバーを中継地点としてファイルを送受信する方式だったが、そのサーバーを利用企業が自前で構築・運用できるようになる。価格は未定だが、3000万円程度になる予定だ。同社としては初めてのソフトウエア製品販売であるため、新たにパートナー企業も募集するという。