日経コンピュータとITproが実施した国策の次世代スーパーコンピュータに関するアンケート調査（関連記事）によると、国策スパコンの開発を続行するには議論が必要とする意見が約8割を占めた。政府判断で開発の凍結、復活と迷走して227億円の来年度予算が認められた国策スパコン開発事業だが（関連記事）、それ以前に行ったアンケート調査では、読者の大半が現状のままでの続行に疑問を投げかけていた。
アンケート調査では事業仕分けの凍結判定について、賛成が54.9％、反対が38.5％だった（図1）。賛成とした理由は「必要性や開発の進め方を再度議論した方がいいから」が75.7％で、「国策で作る意味がないため」が24.3％（図2）。反対とした理由は「議論をつくして進めるべき」が88.2％で「当初計画通りに進めるべき」が11.8％（図3）となった。賛成と反対を問わず全体の79.6％が議論の必要があるとした。
問1●次世代スーパーコンの国家プロジェクトについて伺います。事業仕分けの結果、「開発の事実上中止」となったことをどう思いますか。
問2●問1で「中止に賛成」と答えた方に理由を伺います。どちらか一つを選んで下さい。
問3●問1で「中止に反対」と答えた方に理由を伺います。どちらか一つを選んで下さい。
凍結判定後に政府が復活を示唆する発言をしてきたことに関しては、「信頼感を失った」が41.0％、「柔軟な対応で素晴らしい」が33.1％、「興味がない」が25.9％（図4）と、やや「信頼感を失った」とする指摘が多かったが、意見は大きく3つに割れた。
問4●菅副総理の発言と事業仕分けの対応にどのような印象を持ちましたか。
国策スパコンが復活した際、事業仕分けに対する印象がどうなるかという問いについては、「特殊な案件には異例の見直しが必要」が36.0％、「1案件だけを特別視するのはおかしい」が32.0％、「すべての案件に再検討の機会を設けるべき」が32.0％と（図5）意見が割れた。
問5●スーパーコンが復活したら事業仕分けにどのような印象をいだきますか
アンケートは2009年11月27日～12月15日の19日間、ITpro上で実施。有効回答数は2329件だった。
