ニュース・ブログ「TechCrunch」を運営する米TechCrunchは米国時間2009年12月11日,ネット・サーフィン用タブレット型端末の開発を巡り,元パートナ企業のFusion Garageを提訴したことを明らかにした。ビジネスのアイデアを盗用されたなどとして,12月10日にカリフォルニア州北部の連邦地方裁判所に訴訟を申請した。

 TechCrunchは2008年から,タッチ・スクリーンを備えたシンプルなWebアクセス用端末「CrunchPad」の開発を進めていた。Linuxをベースに,FirefoxのブラウザやSkypeのIP電話機能を搭載したもので,マイクとスピーカ,ビデオ・カメラ,4GバイトのSSD(半導体ディスク),500Mバイトのメモリー,WiFi機能とUSBポートを内蔵し,200ドルでの提供を目指すとしていた。

 2009年11月20日のイベントで披露する予定だったが,イベントの直前に開発パートナだったFusion GarageのCEO,Chandra Rathakrishnan氏から,「TechCrunchとの関係を解消しFusion Garageが端末を直接販売する」という旨の通告を受けたという。

 TechCrunchは,CrunchPadの開発プロセスで生じた知的資産は両社が共有し,CrunchPadの商標権はTechCrunchが単独で所有しているため,Fusion GarageがTechCrunchの合意無しに販売することはできないと主張。12月初めの時点で,近々法的手段に踏み切る意向を示していた。

 TechCrunchはFusion Garageをアイデアの不正使用と詐欺行為,信認義務の不履行,不正競争などで提訴するとともに,ガジェット情報サイトや報道サイトに対し,Fusion Garageの注文受付サイトへのリンクを掲載しないよう呼びかけた。米メディアの報道(CNET News.com)によると,Fusion Garageは12月7日に「JooJoo」の名称でWebタブレットを発表した。JooJooは12.1インチのタッチ・スクリーンを搭載し,価格は499ドルである。

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