マイクロソフトは2009年12月14日、「Microsoft Office 2003」において著作権保護(DRM)機能を使って暗号化した文書ファイルが開けなくなる障害が発生していることを明らかにした。DRM機能で使用するデジタル証明書の有効期限が、09年12月10日で切れたことが原因。マイクロソフトは修正パッチの配布を開始した。

 Office 2003以降のMicrosoft Officeは、文書の閲覧やコピー、編集、印刷などが許可されたユーザーでなければ実行できないように制限するIRM(Information Rights Management)機能を搭載する。IRM機能はDRM機能の一種で、サーバーから認証を受けたユーザーでなければ、暗号化文書を復号化できない。文書の暗号/復号化の際にはデジタル証明書を使用するが、Office 2003が搭載するデジタル証明書の有効期限が09年12月10日で切れた。そのため、IRM機能を使って新規に文書ファイルを暗号化したり、暗号化された文書を開いたりすることができなくなった。

 障害が発生したのはOffice 2003だけで、Office 2007やOffice 2010のベータ版は影響を受けない。しかし将来的には、Office 2007やOffice 2010のデジタル証明書も有効期限が切れる。有効期限が切れる前に新しいデジタル証明書を配布することが必要で、マイクロソフトはそのような仕組みの提供を検討すると述べている。

 マイクロソフトは今回の障害を解説するWebサイトを公開した(Office 2003 における IRM で制限されたファイルの参照・作成ができない問題について)。修正パッチは同サイトからリンクされた各製品ごとのWebサイトでダウンロードできる。

■変更履歴
当初の記事では「しかし修正パッチを入手するためには、マイクロソフトのサポート窓口に電話で連絡する必要がある」としていましたが、マイクロソフトはその後、修正パッチのWebでの配布を開始しました。本文は修正済みです。 [2009/12/14 16:30]