リバーベッドテクノロジーは2009年12月9日、WAN高速化装置向けOSの新版「RiOS 6.0」とノートPC向けWAN高速化ソフトの新版「Steelhead Mobile 3.0」を発表した。ともに12月中旬から提供を開始する。RiOS 6.0は12月中旬以降に出荷するWAN高速化装置「Steelhead」に標準搭載する。既存顧客向けには無償のアップグレード権を付与する。Steelhead Mobile 3.0は最小構成がセンター装置1台と30ライセンスで参考価格230万円。

 RiOS 6.0、Steelhead Mobile 3.0ともに機能は同一。目玉はシトリックスのシンクライアントシステム「Xen App」の高速化に対応したことだ。「Xen Appの暗号化をいったん解除して、Xen App上で付けられたパケットの優先順位に沿って優先制御できるようにした」(寺前滋人シニアテクニカルコンサルタント)。このほか、Mac OSへの最適化、画像部品のキャッシュによるWeb閲覧の高速化、SSL高速化利用時の電子証明書の自動取得といった新機能を追加した。

 同時に2010年以降のクラウドコンピューティング向け新製品のロードマップも公表した。Amazonに代表されるパブリッククラウド上にインストールするソフト「Virtual Steelhead」と「Virtual Cloud Storage Accelerator」を発売予定という。前者は仮想マシンにインストールすることで、その仮想マシンをWAN高速化装置として使えるようにするソフトだ。クラウド上のアプリケーションを従来よりも高速なレスポンスで使えるようにする。

 後者は仮想マシンにインストールすることで「iSCSI」プロトコルを高速化するソフトである。パケットの遅延によるレスポンス低下を抑制して、クラウドサービスをデータセンター内にあるストレージのように使えるようにする。